11月7~8日と福井県小浜市の「食育」の視察研修に訪れました。食育を中心にした町づくりがなぜ、進んでいるのか、講師役を務めた女性チーフが次のように述べられました。
1.その土地のあるモノ探し、歴史に着目する。
2.しっかりとした食育条例を作った。
3.市民が主役で事業を推進した。
この3点が今の小浜市の食育事業を進化させているという、加えてトップである市長さんがその道の専門家であったことも大きな要因と話されていました。小浜市は自然豊かな山里と資源豊富な小浜湾の海を抱えて、地産地消を地で行く学校給食も実施しています。
2000年にスタートしたこの事業は、翌年に条例を制定し、その2年後には事業を推進する中核となる人材と食文化館という立派な施設を整備することにより、一層の教育文化圏の向上と人間形成の土台づくりに貢献してきました。この背景にはトップの理解、決断はもちろんありますが、市民グループを主役としたサポーターグループが企画立案する「食」を中心とした町づくりイベントが功を奏しています。食文化館には「キッズキッチン」という幼児から中学生までが「義務食育」として授業を受けられる施設もあり、その力の入れようがはっきりと伺えます。それを支えるサポーターグループと子どもたち、そして親御さんがその事業の成果をしっかりと見つめ合っています。
小浜市のまちづくりの背景には、
・海の幸
・漁師民宿の魅力と海の体験
・若狭塗り箸
・伝統行事と食
・生涯食育の取り組み
この五つが大きな影響を与えていると説明されました。これに行政が理解を示し、特に学校給食の在り方は斬新なものがあります。小中学校はすべて自校調理、献立は教育委員会が関与するものの、食材の発注から調理まですべて、各校の責任で実行しています。地産地消を謳っている小浜市なので、当然、市内で取れた海の幸山の幸を調理した給食です。「ありがたくいただく」感謝の気持ちは、学校教育、家庭教育にもしっかりと反映されています。今回の研修ではその一部始終をしっかりと脳裏に焼き付けることが出来ました。
講義の前には、この食文化館を学芸員の方が案内してくれました。鯖街道として有名な福井県、そしてこの小浜地方に伝わる「食」そして全国の食文化を一堂に会した施設は素晴らしいものでした。(写真)講義の様子は、熱中したのか写真を撮るのを忘れてしまいました。
今回の研修に、小浜市役所の議会事務局に大変お世話になりましたことを感謝申し上げます。