北の富士と舞の海、大相撲NHKのメイン解説者です。いろいろな親方衆が解説にあたりますが、やはりこの二人の掛け合いの解説にはとてもかなわないのが正直なところです。舞の海は現役時代を彷彿させる、技術面での解説には定評があり、納得させられます。北の富士は技術面の他に、力士の精神状況から協会全体を含めて、時には歯に衣を着せぬ解説、時には真綿にくるんで、そしてウィットに富んだ語り口で、聴衆を引き付けます。今日から夏場所が始まりました。稀勢の里は休場ですが、休むのには大賛成です。
さて、今日の取り組み大関候補の栃ノ心戦の解説には、北の富士、舞の海の特徴がはっきりと表れました。不十分な態勢から相手を力ずくで土俵の外に放り出した栃ノ心の相撲に、舞の海は「あの体勢で勝てるのは今、栃ノ心くらいでは・・・今の横綱、大関では勝ちきれないのではないか・・・」私も同感でした。そのくらい今の栃ノ心は力が付いてきたということでしょう。ただし、正攻法の相撲を身につけなければ、怪我もしやすい、照ノ富士を思い出してほしいと思います。怪我がなければ、大関です。さて、舞の海の解説に実況のアナウンサーは北の富士に解説を求めました。「そうは思わない」そして「関わりたくないね」と答えました。これこそ北の富士の超一流のウィットお惚けだと私は感じました。多分、北の富士も舞の海同様、栃ノ心の怪力と今の実力は評価していると思いますし、今の万全でない横綱大関があの体勢では勝ちきれないと思ったのではと推察できます。しかし、横綱を張った北の富士としては、横綱大関はそうであってはならないという願望と現状を憂いている中でそこまで細かな解説に「関わりたくない」というところだと感じました。こんなやりとりが出来る二人の解説、本当に面白いと感じています。たまに見る相撲中継が他の解説者だとがっかりする私がいます。
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