今日は、議会の経済厚生常任委員会の視察研修を行いました。「奥多摩・武蔵野の森」のシカ被害による森林整備の現状及び観光に資する森林資源整備事業を実施した現場視察を行いました。
安寺沢地区からモノレール(写真)に分乗し視察現場に向かいました。始めに、観光に資する森林資源整備事業の現場である、本仁田山山頂周辺の現場を視察しました。この事業は、観光振興を図る目的として、眺望、景観に着目して、森林観光ルートの環境整備を行うもので、今まで本仁田山山頂は、木々に覆われ見晴らしがあまり良いとは言えず、観光・登山客が重視する眺望、景観という要素に対して十分な環境整備がされておりませんでした。そこで平成27年度に本事業を実施し、山頂周辺立木を南側515本、西側25本伐採し、高水山、大岳山等の稜線や都心部まで、また富士山の眺望を確保することができました。今日は薄曇りであいにく、東京スカイツリー、富士山の姿は見えませんでしたが、伐採による効果を十分に確認することが出来ました。(写真)
次に川乗ウスバ地区の「奥多摩・武蔵野の森」の視察を行いました。この森は、ニホンジカによる食害で裸山となっていたところに、平成16年に大雨により大量の土砂が流出し、町の水道施設にも大きな被害があった場所(写真)で、その後、武蔵野市からの提案により、自然環境や多摩川の水源地を守るため、武蔵野市、奥多摩町、公益財団法人東京都農林水産振興財団の三者で協定を結び、この地区の整備をすることとなったものです。この協定により、山の斜面を安定させるための丸太筋工を設置して斜面を安定させ、豊かな森林づくりとして広葉樹を植栽し、シカの被害から植栽木を保護するために「単木ネット」と「シカ進入防止柵」を設置しました。(写真)シカ進入防止柵には、地表面に草を生やし植生回復を促す効果もあるそうです。また、見回り管理、植栽、保育等森林整備も実施し、植生調査などを行ってきており、その結果、草木の無い裸山だったところは草が繁茂し、地表面が安定したことで土砂の流出が抑制されており、現状では、植栽木も順調に成長し、植生が回復しており、緑豊かな森となっていました。
今回の視察を通し、森林を持つ奥多摩町の重要性を再確認することができたとともに、森林保護と水源涵養に深いご理解を示してくださる関係者のご努力に感謝申し上げます。